トレンディドラマ
最近、1990年代のトランディドラマをまとめて見た。
その世界は、携帯電話がまだ世の中に浸透していない時代で、家の電話を使っている。
そこで繰り広げられる男女の気持ちの複雑に絡み合う様は、見ているこちらは、やきもきしてしまい、「あーっ!なんでそうなるの!」とか「そこはハッキリしなさいよ!」とか、ついつい口が出てしまう。
現在30代のオイラとしては、この頃の連絡が不便な時代が良かったな、と感慨にふけってしまうのだが、最近、居候先の相方と、意思疎通が取れないことがあった。
その日は夜に鍋をしようと思っていた。
オイラのほうが遅く帰ったのだが、家について玄関をあがると、
「エノキとしらたき、買ったきてくれた!?」
はあ、なんの話しだろう。
そんなこと、朝は言ってなかったのに。
ははあ。
スマホの電源が切れていたから、そのあとにLINEしたんだな。
スマホが切れた今、90年代のドラマのように、強く願うことでしか、相方の想いはオイラに伝わらないのである。
そして、スマホで鈍らされたオイラのテレパシー受信能力は著しく衰え、おいしい鍋が食べられることを信じて、ビールとつまみを買って急ぎ足で帰っていたのだ。
待っていた相方は、既読にならないことをやきもきしていたみたいだ。
「きっと槙ちゃんはエノキとしらたきを買ってきてくれる・・・!」
そう、信じて。
二人は思い思いで出会うまでの時間を過ごす。
そして、出会った二人の想いはぶつかり、「エノキとしらたき無しでいっか」
という、最終的な決断を下すーーー
90年代、憧れるなあ。